上杉昇「SHOW WESUGI 25th anniv. LIVE black sunshine Φ」@都久志会館 06/18

上杉昇。元WANDSのボーカリストとして、アラサーの良心的音楽リスナーならばその名を知らぬ者は皆無であろう。ましてや僕のような雑食の音楽ファンにとっては、彼はまさしく神の如き存在のシンガー。彼をはじめ黄金時代のbeingミュージシャンたちからロックの洗礼を受けた、僕のようなものにとっては。

大衆向けのポップスと己の求める音楽の間で砕かれた魂が哀しくも煌めくWANDSの"PIECE OF MY SOUL"('95)、脱退後の本領発揮な世紀末オルタナティヴ、al.ni.coの"セイレン"('99)。ロックとしてのベクトルこそ異なるが、この2枚の名盤はリアルタイムで触れた十代の頃からいつも僕の心の側にあった。

そんなロックの求道者としての彼に憧れ、その後の活動もそれなりに追っていたファンからすれば、ピアノとギターとストリングスのアレンジという今回のライヴスタイルは意外といえば意外ではあったけれど、YouTubeに上がっていた動画を観、あの頃と変わらぬ声の存在感に参戦を決めたのだった。

あの艶、あの歪。やっと触れられた。この声である。オープニングであったal.ni.coの名曲「prayer」からその圧倒的な力は存分に披露されたが、それ以上に驚いたのはアレンジのオリジナル感。WANDSのそれにしろ、歌唱は勿論のこと名手gt.柴崎浩の手癖やノイズすら可能な限りに再現されていたように感じた。数々のバンドでその辣腕を振るう友森昭一氏の力もあろうが、そんなわけで想像よりは破壊的ではなかった厳かなステージングに、僕より上の年代の方も多かった観客たち各々の二十数年に積もり積もったノスタルジーは、否応なしに蔓延する。

それを知ってか知らずか、彼のキャリア中でも比較的ダークサイドな選曲で公演の進む中、「俺が昔演ってたWANDSって知ってる?」などという戯けたMCから披露されその日一番場が沸いたのは−−やはりと言うべきか−−旧い名曲「星のない空の下で」、ではあった。けれど。会場限定シングル収録のカバー「アンダルシアに憧れて」の伸びやかな歌唱にも感じるが、彼の声はポップスにも確かに非常に合うのだった。彼の崇拝するであろうアクセルとカートのいいとこ取りとも言える、類稀なその美声は。

あの頃のように静も動も歌い熟す声の力、それが今でも彼の愛される所以であろう。名演でした。
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順不同セトリは愛の順。一曲分からない日本語歌詞のものがあったなぁ。
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TNG35

精の根も尽きた社灰燼の週末、帰省の悪友Sと酒。かつて幾千の夜を呑み明かしてきた僕らでも、サシとなると互いのマリッジを挟んで二年振りの席。合間合間何かと逢ってはいたのだが、何処かひどく久しい心地であった。開始数分で盛り上がったのは互いの生命力の低下について。酒が。風邪が。青痣が。だからよ。

花金に沸く天空の麦酒庭から眼下には奇しくも母校。彼処でティーネイジャーの若い僕らは出会ったのだ。あれから最早廿年。不可逆の時間と不可避の劣化を厭いながら、それでも心と体の老いは同位ではないと願いながら、あの頃と変わらないはずの与太話を打ち合う二人。

誰もが毎日何かにクサクサしている社会で、灰燼は灰燼に。腐臭は腐臭に。生きているならばそれだけで救いだ。丗五の中年へ。前月の良晩。

BRICK ON SUB ST

病を得て入院した友人を見舞いに市内へいく。道すがら求めた半値の菓子パンを昼餉にモフり、安いし身体に良かろうと併せ飲んだ蕎麦茶の効能は。もうこれ以上下げんでよろし。なんてこんなに血絡みの昨今。

友人に会いに行くだけなのにやたら緊張したが、会ってみれば思いの外元気そうで安心する。暫く徒然を話して帰りがてら共に徘徊すれば、シブがき隊のあの人のポスターの下にストーンズのそれが鎮座する院内の某局。何故。路傍の僕等。

帰ったら返しに来てくれ、とお互いに好きであるオーケンの文庫本を三冊渡した。冗談のような現在があるのだから、冗談のような未来があってもいいだろう。頑健な貴男の血肉と、転石の裏表を信じて待つ。とりまメシすか。ああ待つよ。きっと直ぐさ。

WBZ

酒の夜を更に一日減らし、歩き始めることにした。充電してもアイコンが変わらぬclassicをそっ閉じ、過去のiPhoneをハイレゾ音楽マッシーンと化す。30分だがとにかく歩く。思うのは新年度の色々。終わったソシャゲの幻肢ポチ。呑みのポカで失くしちまった7。職場にも固定になった桜の季節はなんだか疲れることが多くなったけれど、とにかく進む。

色白過ぎませんか。圧低過ぎませんか(二度検)。抜いて大丈夫ですか。そんなにヤベっすか白衣の天使様。先月課された血の再検査、やっぱ低めだなとは言われつつも大きな病の畏れは消えたと一応クリア。まぁそれよりも肝の値の過去最低更新のが嬉しかったんですけどね。そら二日休めばね。再生不可能な臓器、愛ゆえの連休と酷使よ。

母からワイセどうだったとLINEが来、なんそれと返すと独語だと。成程ヴァイツェン。ホワイトブラッドセルの発音じゃないのね。ラムシュタイン好きな俺様が貴様なぞに負けるとは。そういや元ENGELの彼女。知っているつもりでも知らないことばかりだ。同じ日はない。とにかく学ぶ。急に止まれない。とにかく生きる。

WBC

インフル疑惑からひと月も経たずに高熱が出るのではじめての近所の内科にかかったら白い血の球の減少が。熱発よりむしろそっちのが怖いんで今すぐ他んとこで調べろと紹介された血液内科は奇しくも二年前緊急搬送された病院。ドキバクで測る血の圧は80台。無論上な。酒が不味いんですが、と尋ねると減らせと言われた。そもそもの減少が風邪以外なら肝の機能の低下も一因にあるらしい。さいですか。そら気をつけな。

他人事の様に語りながら背筋が冷えた過去の不摂生。今まで一日だったけどやはり二日は設けないとな。好きだからこそ持ち崩したくはないから。白い球をぶつ遊戯になぞに未だに興味は持てないけれど、せめてその日に歩いたりくらいはしてみようかな。もう俺だけの身体ではないから。