『VUCK-OFFF』#008 - PENICILLIN『UNION JAP』

◆月を改めるのと同時に襲う寒波にとうとう掛布団と熱技着を解禁する。超早朝の柚子湯と露天湯でふやけた平日休、実家から芋餡と黒餡を下賜られた。何に錬成すんべか。パンではベタだな。パイか。パイシートか。また男子力が下がってしまうではないか。(今更


◆そんな日のブックオフで買えるV名盤・ことバクオフ、第八回。二年半振り。まぁ誰も待ってないので好きに書かせてもらうッ!!

『UNION JAP』PENICILLIN (‘00)
難度・D。容易。

90年代後半から聖飢魔IIにかけたヴィジュアル系ブームの隆盛そして失速。そんな中で+αのないバンドはどんどん淘汰されていったが、+αのあるバンドはその個性を殊更に強調することでしぶとく生き残り、魅力的な作品を残していった。月海が終幕するミレニアム(懐かしい表現だな)にドロップされたこのアルバムも、そんな作品の一つである。

有名曲「ロマンス」を収録した出世作扱いでありながらドラク○エに多大なるオマージュを払ったバカ曲(褒め言葉)「そして伝説へ」なども同時に収めた意欲的な前作「Ultimate Velocity」、この時点で所謂ありがちなヴィジュアル系としての要素は消え…てはいないがそれ以外が濃くなりすぎ結果薄まったPENICILLIN。このアルバムでは主に歌詞の面で更なる本性(?)を表している。ぱっと見すわカップ麺かなどと思いきや普通に天に帰ったあの方のパラレルファイトサーガ「UFO対ラオウ」、P版「おもちゃやめぐり」と言えなくもない珠玉のラヴソング「ウルトライダー」、歯の根も凍る歯歯医者…もとい支配者の恐怖を描くインダストリアルロック「BIO COMMANDER」。などに色濃いHAKUEIの(彼が同時進行していたユニットmachineのそれにも見られる)漫画やアニメなど日本男児として避けることのできないトラウマをユニークにしかしストレートに描ききった諧謔としかし信念のリリック。コテヴィ時代から「男のロマン」などというアホ曲(あくまで褒め言葉)をアルバムのオーラスに持ってきていた彼らならではのヲタク的ユーモアがよりメンバーのルーツに沿った感のある脱V的サウンドとも相俟って、最も(個人的に)輝いていた頃の名盤である。

新世紀の中でギショーさんは引退したが月海は何気に復活したしスリーピースなペニシリンも未だに良い意味でサヴァイヴしている事実から鑑みるに、やはりこのアンバランスなダサカッコよさが彼らの彼らたる所以であり、現在まで愛されている最大の魅力なのであろう。愛に気づいてください

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